「狭いところに閉じこめるようでかわいそう」「愛犬が嫌がるから…」
犬を大切に思っているからこそ必要がないと思ってしまいますね。
一緒に寝るしイタズラしないから問題ないし、普段の生活ではハウストレーニングを必要だと感じられません。
それに、自由にさせておいたほうが一緒に生活していて楽しい。
けれど災害避難時やドライブのとき、病院・公共施設に連れていく時に「ハウス」ができていないと愛犬に危険がおよぶ恐れや周囲に迷惑を与えトラブルに発展することがあります。
どのようなトラブルが起こるかを知って愛犬のために対策しましょう。
避難所では人間と犬は別々のスペースで暮らすことになる
ペットを避難所に連れて行く場合、犬は人間と同じスペースで暮らすことはできません。
犬との同行避難はできますが同伴避難はできません。
同行避難とは、災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難することです。
避難所において人とペットが同一の空間で居住できることを意味するものではありません。
それぞれの避難所のルールに従ってください。 引用: 東京都福祉保健局
避難時とはいえ、犬と人間が同じスペースで暮らすというのは多くのストレスになります。
犬が好きな人もいれば犬が苦手な人も犬もいます。
愛犬が人懐っこい性格をしていても、犬が嫌いな人や犬アレルギーを持つ人には嫌がられてしまいます。
普段おとなしくても、他の犬に吠えられたり噛みつかれたりすれば犬同士のケンカになりケガをしてしまうでしょう。
避難所は動物病院ではないのですぐに適切な処置ができません。
その後の長い避難生活も居心地の悪いものになってしまいます。
余計なトラブルを生まないためにも避難所では人間と犬は同じ空間で過ごすことは出来ません。
犬は外で鎖やリードで繋ぐ、あるいはクレートやキャリーに入れておくのがルールです。
今まで室内で飼われていた犬が、いきなり屋外に鎖でつながれてる生活は精神的にも肉体的にもストレスが積み重なっていきますし、飼い主さにとっても気が気ではないでしょう。
犬に「ハウス」を覚えさせて慣れさせておけば、避難所での生活でも落ち着いて休ませることができます。
余計なトラブルなく、犬も人間もストレスなく過ごすために早い段階からハウストレーニングをしておく必要があります。
危険!犬を膝の上に乗せて車の運転をする
万が一、前方で事故が発生し急ブレーキをかけたときにクレートの中にいない犬は前に投げ出されフロントガラスに衝突します。
ましてや運転席で抱っこされていたならフロントガラスを突き破ってしまう危険もあります。
そしてもう一つ、運転席で犬を抱っこしながらの運転は法律違反に該当するという点です。
道路交通法 第55条第2項
車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
要は「運転手の視界を悪くさせたり、ハンドルやシフトレバーなどの操作の妨げになるような運転をしてはいけませんよ」ということです。
犬が車内を自由に動き回ったりすればドライバーは運転に集中できません。
運転している飼い主さんが犬に一瞬視界を向けたたばかりに大事故につながる場合もあります。
普段おとなしい犬でも、外に興味をひかれるものがあったりすると動くこともあります。
窓から顔を出せばミラーが見えなくなります。
後ろからバイクがきているかもしれないし、交差点や曲がり角では確認が遅れてしまいます。
そして思いもよらない事故になります。
ちゃんとハウスにはいっていれば安全確認ができて事故の確率を減らすことができます。
事故になれば飼い主さんはもちろん犬も無事ではありません。
楽しいドライブも無事であるからこそ、最後まで楽しくドライブしたいならクレートにいれて運転しましょう。
ハウスに入れずに車の窓やドアを開けているのも危険
車内にいる犬は、興味が惹かれるもが外にあるとそわそわして車から出ようとします。
例えば広場が見えたり、他の犬が遊んでいると一緒に遊びたくなります。
他にも、好きな場所に行けた喜びで早く車から出たくてたまらなくなります。
そんな時、車の窓が開いていればいぬは簡単に飛び出してしまいます。
周囲の安全確認なんて犬はしませんので、万が一に車や電車に轢かれてしまえば即死です。
実際に起こった事故が私の近所で起こりました。
2017年の春、高速道路のパーキングエリアで停車したところ、飼っているコリーが車内から飛び出し高速道路上に走って行きました。
飼い主の女性が慌てて走って犬を追いかけたところ、合流地点で女性は走行中の車にはねられ重傷を負いました。
コリーは1km先の高速道路上で車に轢かれて死亡していました。
自分がかわいがっている犬が高速道路に飛び出していったとき、自分だったらどうするか?
それを考えるよりも、どうしたらそうならないかを考える事が重要です。
ハウスにいれておけば犬を落ち着いて外に出すことができますし、犬が勝手に車外に飛び出すこともありません。
んなに大人しく躾けても興奮した犬を捕まえるのは至難の業です。
犬をハウスに入れておかないと急ブレーキのときに飛ばされる
安全運転をしていても後ろから追突されたり、前の車が急停止したりすることがあります。
飼い主さんはシートベルトで守られていますが犬は無防備です。
車が急停止したとき体重の何十倍ものちからで外に引っ張られます。
リードをイスにくくりつけていたとしてもリードや犬の体が耐えられるでしょうか。
ハウスにしっかりいれて後部座席にセットしておいたほうが生身で放り出されたり、首や体を引っ張られるよりも確実に安全です。
このような事故はいつ起こってもおかしくなく防ぎようのないものです。
ハウスに入ることを苦にならないようにして、ドライブ中は必ずハウスの中にいさせます。
病院やペットホテルに犬を預ける事になった時も必要になる
ハウストレーニングはトラブルを未然に防ぐのに役に立ちます。
病院に入院するときやペットホテルに泊まるときクレートやケージなどに入れられます。
ハウスに慣れていない犬だと寂しくて吠えたり脱走しようとストレスを抱えてしまうでしょう。
預かる側の施設の人にも、他に泊まっている犬にも迷惑がかかります。
ハウスのしつけができていればこのようなストレスやトラブルがへり、落ち着いて飼い主を待つことができます。
一泊とか二泊、飼い主がいない状況であれば犬のためにもハウスのしつけが重要になってきます。
まとめ
犬にハウスを覚えさせていない場合の危険をまとめました。
・避難所や公共の場でトラブルになる
・ドライブ中に視界を遮られる、事故の確率が上がる
・事故にあったとき、愛犬が無事でいられない
・車の窓やドアが開いたときに飛び出す危険
犬にハウスを覚えさせればトラブルを未然に防いだり、ときには命の危険から守ることができます。
さらに犬のストレスをへらす効果があります。
最初は嫌がるかもしれませんがハウスを犬にとって良い場所にすれば指示をしなくてもはいって落ち着いてくれます。
犬が落ち着いてハウスにいることが楽に見えたら気の毒には思いませんよね。
「愛犬のためになる」「愛犬の命を守る」ことを第一に、根気強くハウストレーニングをしましょう。