犬を飼うなら部屋が広いほうが良いように思われますが、実際に飼ってみると「部屋の広さ」よりも「部屋の数が多い」ほうがとても飼いやすいです。
一人暮らし用の部屋のように、広い部屋が一つあってあとは洗面所や台所といったようなアパートでは犬も人間も暮らしづらくなります。
部屋が狭くても、部屋の数が多ければしつけや飼育の面でも飼うのに不便はありません。
部屋が広いと犬のケガや事故が多くなる
私の家の中にも広い部屋がありますがそこにベリーを連れてくることはほとんどありません。
広い部屋というのは飼い主さんが思ってもいないような事故やケガに繋がるような危険がたくさんあります。
その中には命に関わるようなものや、一生そのケガに悩まされ後悔するものが潜んでいます。
誤飲の心配
広い部屋の中には人間の目線からは気が付かない物が落ちていることがあります。
人間の目線より低い犬にはそういった落ちている物にいち早く気が付きます。
食べ物でなくても、犬は口に入れたものを飲み込んでしまう習性があります。
特に危険なものは、人間用の頭痛薬など薬品類やレントゲンに写らないものです。
ボタンやビーズ、ゴム製のボールやおもちゃはレントゲンに写らないので誤飲の疑いがあっても判断ができません。
誤飲をしたかどうかは開腹手術か内視鏡検査で調べるしか方法がありません。
どちらの方法も麻酔を使いますので検査自体にもリスクが伴います。
その点、狭い部屋に落ちているものを発見するのは広い部屋に比べて容易に見つける事ができますし、物が落ちたその場で気が付くことができます。
部屋の数が多ければ、犬の居場所を制限できるので床に気軽にものを置ける部屋を設ける事も可能です。
管理する場所が限られるというのは犬を飼う上で非常に楽になります。
走り回って危険
犬にとってフローリングはスケートリンクの氷上を歩いているのと同じです。
ツルツル滑るようなフローリングの上で走り回ったりジャンプをすれば転んだ拍子に大ケガをします。
例えば大型犬や中型犬であれば股関節形成不全、小型犬なら椎間板ヘルニアのような大きな痛みを伴うケガをします。
犬の足腰のトラブルはなかなか完治しないので何年もの間付き合うことになります。
広い部屋は犬が走り回りやすいので注意が必要です。
日々の掃除に苦労する
柴犬やゴールデンレトリーバーなどのダブルコートの犬種は季節を問わず抜け毛が多いです。
朝に掃除をしても夜には抜け毛がたくさん落ちています。
犬の抜け毛も頻繁に掃除をしていないと様々なトラブルが起きます。
そのまま掃除をしておかないでいると、溜まった抜け毛にノミやダニが発生します。
ノミやダニが衣類や寝具に潜り込み増殖し人間に寄生すると皮膚炎を起こしたり、ノミやダニの種類によっては重篤な感染症になります。
こういった健康被害だけではなく犬の毛は火災の原因にもなります。
犬の毛とホコリはお互いに引き付けあうように絡みやすく、電化製品のプラグとコンセントの隙間に入り込むことがあります。
たまったホコリが空気中の湿気を吸い、そこに電圧がかかるとコンセントからプラグに流れている電気で発火することがあります。
これはトラッキングと呼ばれるもので火事が起こる原因になります。
広い部屋だと掃除が行き届かず、コンセントも多くなるので掃除をしっかりしておく必要があります。
部屋が広くても狭くてもやっておきたい事
先ほど書きましたが、犬にとってフローリングは氷の上にいるほどツルツル滑ります。
犬がいる部屋にはジョイントマットは必須です。
防音
フローリングに付く傷や汚れの予防
マットが汚れたら簡単に取り換えられる
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ジョイントマットの下にペットシーツを敷いておくと、掃除をしなくてもフローリングはずっとピカピカで新品状態です。
下の画像のようにしておくと家が汚れなくて便利です。
部屋が多い家は犬のしつけがラク
室内飼いでも犬の個室(ケージやバリケン)は必要です。
犬の個室がないのは屋外で放し飼いをしているのと同じです。
なかなかトイレが覚えられないとか、ムダ吠えが多いなどのしつけが上手くいかない原因は放し飼いが原因になっています。
大型犬であればバリケンも大きいので、いくら部屋が広くても設置するとなるとかなりのスペースを占領されます。
その点、部屋の数が多いと占領されている感じがないので飼育するうえでも気持ち的にラクになります。
犬を飼うなら広い家と思われがちですが、広い家よりも部屋の数が多いほうが犬も人間も暮らしやすいです。