犬は散歩が大好きです。そして飼い主さんにとっても犬と一緒に歩くのは楽しく幸せな時間です。
その反面、外には危険がいっぱいあります。
車や自転車、他の犬とすれ違う時やスマホの操作をしながら歩いている人とぶつかりそうになったりなど、少しの油断で事故につながります。
意外な所で一番危険な場所は『地面』です。
大切な犬の命を守るために拾い食いをさせない注意が必要
飼い主さんは散歩の時、周囲の情報を目で見る事によって認識します。
でも犬は人間と違って、目ではなく鼻から得るニオイによって周りの情報を認識します。
地面に残っている他の犬や猫のニオイ、獲物となる動物、食べ物の有無といった情報を集めています。
落ちている物に対して犬は「危険か安全か」の判断はしないので、そこに物があれば食べてしまいます。
地面に犬の排せつ物があれば鼻を付けてニオイを嗅ぎ、人間が捨てた食べ物の残り物があれば食べてしまいます。
・竹串や爪楊枝 →のどや食道を傷つける
・タバコの吸い殻 →飲み込めば急性ニコチン中毒
・除草剤 →強い農薬であれば胃や腸に炎症、中毒
・悪意のあるイタズラ(毒入りのお菓子) →死亡する事故も多数
・犬ジステンパーウイルス感染症 →初期症状:食欲不振、発熱、黄色い鼻水
飼い主さんのコマンド(指令)で食べる訓練が必要
普段のゴハンの前に「マテ!」は出来ても、落ちているものに対して「マテ!」はなかなかできません。
飼い主さんもそこまではやろうとはしません。
飼い主さんの「ヨシ!」と言うコマンドで食べるように訓練しておけば拾い食いが無くなります。
また、拾い食いとは違いますが犬を連れて散歩をしていると、良心の気持ちで持ってるオヤツを犬にあげようとする人がいます。
例えば人間が食べるお菓子であったり、犬用のジャーキーやビスケットなどが挙げられます。
犬の個体によってはジャーキーを消化ができない犬もいますし、塩分の量を制限されている犬もいます。
そんなことを気にせず、犬は食べ物を与えられれば何でも食べてしまいます。
飼い主さんがはっきり断ることができればいいのですが、なかには断れなくて「あの時、はっきりと断れば良かった・・・」と後悔する人もいます。
そう思っていても、ご近所で親しくしてもらっている人であったらもっと断りづらくなります。
相手との関係を悪化させないお薦めの方法として次の二つがあります。
犬にコマンドを覚えてもらう
飼い主さんが「ヨシ!」と言うまで食べないように訓練しておくと、拾い食いやオヤツを与えられて食べてしまうような悩みが解消されます。
犬が食べなかったら相手は「お腹がすいてないのかな?」「好きなオヤツじゃなかったのかな?」と思う程度で飼い主さんとの人間関係には影響しません。
問題は犬が「ヨシ!」と言うコマンド覚えてくれるかどうかですね。
普段から継続的に教えていれば覚えていきますが思うようにいかなくても決して怒らず、楽しく遊びながらやるのがコツです。
どうしてもうまく教えることができない時は、訓練所の人に「犬に教える時のコツ」を習うといいでしょう。
オヤツ類が犬の身体に合わないことを伝える
この方法は私が実際にやっていた方法なので何かのヒントになればと思います。
以前、嘔吐を繰り返していたベリーに近所の奥さんがジャーキーを与えました。
体調が悪いベリーはジャーキーに見向きもしませんでした。
私が「先日ジャーキーで嘔吐し、病院で消化が悪いオヤツを止められている」という旨を伝えたらとても心配してくれて、その日以降べりーにオヤツを与えることがなくなりました。
このことで相手との関係が悪化したということもなく、べりーの事を今でもかわいがってくれています。
オヤツを与えられる前に相手に「オヤツ類を禁止されている」事を伝えておく事で、人間関係を悪化させる心配がなくなります。
リーダーウォークができれば多くの危険を避ける事ができる
散歩の基本はリーダーウォークです。「犬が飼い主さんの方を意識しながら歩く」スタイルです。
意識を飼い主さんに向けているので地面にあるものには見向きもしなくなります。
犬が自分勝手に行きたいところに行くような散歩は、拾い食いの他にも多くの危険が付きまといます。
ベリーも最初は自分勝手な行動が多くて治すのにとても苦労しました。
特にひどかったのは落ち葉が風で舞い、葉っぱが地面を転がってると咄嗟に追いかけて捕まえようとすることでした。
もし近くを自転車が通ったら自転車に乗っている人が転んでケガをしますし、轢かれたべりーもケガをします。
「これは危ないな」と思ってすぐに直させましたけど、リーダーウォークの大切さを実感しました。
拾い食いの予防も含めて、犬との散歩はリーダーウォークで多くの危険は避けられます。